開業前にに間借り店の活用を!

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寿司魚伸 オーナー 八代伸志さん 

間借り店舗との出会い

実は神田に実店舗の出店を計画しています。神田は寿司の激戦区ですが、同じオフィス街の西新宿の寿司店での経験があり、計算が立つと判断しています。3ケ月後に開業予定なのですが、その間にも握っていないと私自身の腕が錆びてしまうなぁと考えていたところ、ネットで「シェアレストラン」と出会いました。水天宮の居酒屋げんさんが間借り営業者を募集していることをそこで知ることになります。水天宮はランチの強いオフィス街で仕入れ先の築地にも近く、考えている寿司店の条件にぴったりだと思いました。
間借りしていた水天宮の居酒屋
個人寿司店は投資を考えると自分で独立してポンとやるのが難しい業態ですが、これなら初期投資がかからず、低リスクで実践ができる。私自身の為だけでなく、実践の場が欲しい職人には、最強の環境と思いました。大阪のヤドカリカレーをヒントに「ヤドカリ寿司魚伸」と名付けました。神田もそうですが、まずは自分でやってロールモデルを作ってから、ゆくゆくは若手職人の育成を含めてやりたい職人に任せたいと思います。

ヤドカリ寿司魚伸とは

伝統的な寿司店の中には昇格の仕組みができていますが、とにかく時間がかかる例が多いようです。私はすしアカデミーで勉強致しましたが、そこでの2ケ月は寿司店での3年の価値と言われています。同期は20人ほどいますが、卒業して寿司店で修業をするも満足に魚に触れることなく、くすぶっている方も多いのです。 寿司店のオーナーは厳しい環境で自分たちは鍛えられたのでそれが正解だと思っています。魚を触らせてもらえないので、休みに自費で魚を購入して練習するといった、ものすごい努力をしていた人たちです。商売には、ものすごい忍耐力や強い気持ちも大事なのもわかります。根性がなくてやめた方も大勢いらっしゃいます。 どちらが正解とかではなくて、実践の場を求めている若手職人が多いのは事実です。まずは自身が実験台でスタートしてみたいと思います。

語学学校の経営から寿司業界へ

間借り時代の矢代さん
寿司業界に入る前は、韓国語学校の経営をしておりました。2009年、ちょうどKPOPが盛り上がっていた頃ですが、韓国語教室は家業や大手英会話教室がついでに行っているものがほとんどでした。専業でしっかり行っている所がなく、競合が少ない事に気が付いたのです。スタートしてから全国で7店舗にまで広げて、株式を譲渡致しました。伝統的な寿司店と大手の回転寿司が中心の今の寿司業界は、当時の韓国語教室の状況と近いのではないかと考えています。
間借り時代のオーナーと
若いころからバックパッカーをしていましたが、海外とのリンクが人生のテーマでした。食はわかりやすいですし、和食、それも寿司は海外の方には馴染みやすい。ラーメンや居酒屋も海外では人気ですが、参照障壁が低く過当競争に思います。寿司は伝統食であり、新規参入が難しいとされていますので、チャンスと感じました。

「今後の展開を教えてください

間借りを経て、実店舗「鮨と酒 魚伸」をオープン!
まずは、水天宮のヤドカリ寿司、そして、神田を成功させて、語学学校の時のように複数展開をしたいですね!そのあとは、子供が大きくなれば、奥さんと海外を回りながら、日本人としてのものをしっかりと伝えられるようになりたいです。海外で寿司をチャチャツと握ってあげれば、皆さん、喜ぶでしょうね!

インタビューを終えて

八代さんはワイルドな風貌とは裏腹に、過去に社労士事務所の経験あり、理論整然と話をしている姿が印象的でした。彼が考えている間借りシステムを利用した「寿司職人への実践の場の提供」は、職人システムの現状を知ると必要とされているサービスであり、この業界に革命を起こせるかもしれない。そんな事を考えた取材でした。
鮨と酒 魚伸
店名鮨と酒 魚伸(うおしん)住所〒101-0047
東京都千代田区内神田3-10-10 SNビル 営業時間 11:00~14:00(L.O.13:30)
17:00~23:00(L.O.22:30) 定休日毎週日曜日、祝日 https://www.sushiyauoshin.com/