「音楽だけでは、生きていけない。」
そう語る表現者は少なくありません。
夢を追い続けるために会社で働き、休日だけステージに立つ。現実と向き合いながら、それでも表現を諦めない人たちが東京には数多くいます。渋谷・道玄坂にオープンした「cafeと音楽 Vol.」の店主・にゃきさんも、その一人です。
平日は事務員として働き、土曜日はミュージシャンとして活動。さらに、「音楽と同じように、人を喜ばせる表現がしたい」と考え、イタリアンで修行を積み、料理というもう一つの表現を身につけました。
そして2026年7月、シェアレストランを活用して、自分らしい店「Vol.」を渋谷・道玄坂にオープンしました。
この店は、ライブハウスではありません。
バーでもありません。
音楽好きが、美味しい料理を囲みながら自然と会話を始める場所。
ランチだけでもいい。コーヒー一杯でもいい。
気が付けば隣の人と音楽の話をしている。そんな偶然が、この店の日常です。
店主は冗談交じりに言います。
「ミュージシャンはメシが美味い。」
看板メニューは「チーズフィッシュパイ」。
スモークサーモン、鯖、アンチョビから選べるパイに、赤紫蘇、大葉、山椒、青さ、七味、柚子胡椒など、日本ならではの和ハーブを合わせています。イタリアンの技法に和の香りを重ねることで、どこか懐かしく、それでいて新しい一皿が完成しました。
料理だけでなく、飲み物にも店主らしい遊び心があります。


もちろん、密輸ではありません。
そんなクスッと笑えるユーモアも、この店の味の一つです。
そして、この店らしさを象徴する出来事が、オープン初日にありました。
来店したお客様から「看板を出した方がいいですよ」とアドバイスを受けると、店主は「確かに」とその場で納得。後日すぐに看板を発注しました。
「お客様と一緒に店を育てたい。」
そんな柔軟さと素直さが、Vol.という店の空気をつくっています。音楽も料理も、人を喜ばせるための表現。
だから、この店ではどちらが主役でもありません。
ライブを楽しみに来る人もいれば、ランチを目当てに訪れる人もいる。
料理をきっかけに音楽を知る人もいれば、音楽をきっかけに料理のファンになる人もいる。
その境界線が、少しずつ溶けていく場所です。
シェアレストランは、「飲食店を開く仕組み」であると同時に、「自分らしい表現を試せる舞台」でもあります。
料理人が音楽を届けてもいい。
ミュージシャンが料理を作ってもいい。
好きなことを掛け合わせることで、新しい店の価値は生まれます。
Vol.は、その可能性を教えてくれる一軒です。
店舗情報
住所:東京都渋谷区道玄坂1-11-1 大番ビル303(deep door内)
営業日:毎週土曜日
営業時間:9:30〜18:00(L.O.17:00)
主なメニュー
・チーズフィッシュパイ ランチセット 1,500円・チーズフィッシュパイ(スモークサーモン・鯖・アンチョビ)
・フィッシュ&チップス
・クラフトビール、ワインカクテル、コーヒー、ハーブティー各種

































